山ノ神神事 2012年&2018年.11.23(金)~25(日) 下関市蓋井島

蓋井島で1123日(金)から25日(日)の3日間、6年に一度の山ノ神神事が行われました。山の麓に、「一の山」、「二の山」、「三の山」、「四の山」と呼ばれる神聖な森があり、この森に神が存在するという信仰があります。神事の起源は不明ですが、その形式は我が国古来の神事の型を伝えるもので、非常に貴重なものとされています。祭りのお世話をする「当元」には、代々引き継がれてきた4家がなり、その他の各家はいずれかの山に属して「山の組」と呼ばれています。また、神の送迎奉仕は、「太夫」と呼ばれる神官が執行することになっており、初日に吉見港から連絡船で島に渡ります。神官は島に到着すると、神迎えの準備をするため、各当元の家を巡回します。当元家の神の間に設けられた祭壇には、月形と日形の大餅や山海の幸などが供えられています。その傍で、神主より手解きをいただきながら御幣やしめ縄を作ります。夕方から、山の順に神迎え神事が執り行われ、「神の間」には人が入ることができなくなりました。翌日は、神様をお迎えしての賄い準備や神の森での「つくりもの」作業にと慌ただしい1日となり、「一の山」と「二の山」の当元家では神主と一緒に「賄い」が行われました。最終日は、クライマックスの神送りです。当元の「神の間」では、神主が浜の「まさご石」75個をまいて抜刀して各部屋を祓い、杵で空臼をついた後、神鎮めのために森へ移動しました。枯木や倒木を円錐状に組み合わせた神籬(ひもろぎ)にしめ縄が巻かれ、神籬の前に手作りの膳と箸75セットが並び小餅が供えられました。その前で神主が祝詞をあげて神様を鎮め、供え物の「餅奪い」で森の神事が終了しました。帰り道、小学校で餅まきがあり、早朝に準備された沢山の餅が参加者にふるまわれました。そして「三の山」と「四の山」では、賄い(なおらい)が執り行われ、全ての神事が終了しました。

2018年 山ノ神神事<11月23日(金)~24日(土)>

2012年 山ノ神神事<11月23日(金)~25日(日)>