川合神社夏祭りのだし 平成30年8月26日(日)

 川合神社(岡山県加賀郡吉備中央町)の夏祭り。古くから神威を慰め疫病の退散と五穀豊穣を祈願するため継承されてきたといわれ、岡山県の重要無形民俗文化財に指定されている。以前は、毎年旧7月23日に行われおり、神社の歴史からかなり古くから始まったと言われている。だしは、神社の氏子や地域の団体などがそれぞれ1体~3体の人形を置く小屋を設け、歌舞伎や神話などの一場面を表現する人形を、ワラ・紙・木・竹などで作って奉納する。今年のだしは、保存会・各集落・加賀中学校・児童会が八つの小屋に「西郷どん」「光源氏」「ナルト」「桃太郎」などの人形が並び、夜の賑やかな神社境内に輝いていた。

夏祭り


 かつては、桜の散る頃に「鎮花祭り」が盛んに行われた。この時期は、春と夏の行き合いの時期で、疫病が流行する季節であった。京都の祇園祭の起源は、平安時代初めに疫病が流行し、これを押さえ退散させるために始まったと言われている。強力な凄い神で、精霊どもを追い払う目的で迎えられたのが、祇園の神牛頭天王である。この信仰が、神送りの形と一緒になって発展したのが夏祭りである。夏祭りは、ミソギ・ハラへという、わが国古来の信仰を土台として形づくられてきた。一方、6月晦日には「夏越の祓」が行われる。これは、半年間の罪穢れを祓い清める行事である。夏越祭りでは、茅の輪くぐりが行われる。そして、7月に入ると全国各地で虫送り行事や祭りが始まる。博多祇園山笠は、疫病を防除する悪疫払いが祭りの起源とされ、今年で770年を迎えた。山口県では、海を渡る神輿で有名な周南市粭島「貴船神社の夏祭り」や「彦島八幡宮の夏越祭り」などがある。大分県国東市では7月第4日曜日に、五穀成就・虫祈祷の修法「吉弘楽」が奉納される。お盆は、日本固有の信仰と仏教の盂蘭盆会が習合してできた行事で、死者への供養と異界との交流の場となっている。長崎県平戸島では、814日より念仏踊り「ジャンガラ」が9地区で始まる。鹿児島県十島村悪石島では、盆の最終日に、島民の安泰を願って「仮面神ボゼ」が現れる。面は、ニューギニア等の南方系でエキゾチック。手には赤土を塗った「ボゼマラ」を持って、女性や子供を追い駆け回る。